白かえる通信Ⅱ=きて みて はっけん 上高地線=

信州の城下町松本から 山の玄関口新島々へ〜アルピコ交通上高地線の話題をお送りします。

カテゴリ: 2021年上高地線開業100周年!

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アルピコ交通上高地線の前身「筑摩鐵道島々線」は、1921年10月2日 松本-新村(6.2km)で営業運転を開始しました。河西部(現在の松本市西部地域)の交通の近代化と、当時は限られた人しか訪れることのできなかった日本アルプス・上高地のアクセス確保を目的に生まれた島々線。上高地線と名を変えた今日も、生活・観光の両面で地域社会を支えています。
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こちらは開業からまもない奈良井川橋梁を渡る列車です。初代社長の上條信が配電事業を手掛けていたことから、島々線も開業当初より電化されていました。島々線はその後も西へと線路を伸ばし、翌1922年9月26日には当時の終点である島々までの15.7kmの全線が開通しています。
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上高地線の100年を振り返る弊通信のシリーズ "山ゆき電車"上高地線の歩み は下記リンクよりご覧いただけます。100年の歴史を刻み、次の時代へ走り出そうとする鉄路により一層の親しみを持って、一緒に盛り上げていただければ幸いです。









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アルピコグループの祖業に当たる「筑摩鐵道」の創立から今年で101年。上高地線では電車2編成に「100+1」周年を記念したヘッドマークを掲出しています。この内、なぎさTRAIN専用のヘッドマークが7月下旬より新しいデザインのものに変更されました。新デザインは夏らしいひまわりをあしらったものです。
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ヘッドマークの変更は、春の桜、初夏のあじさいに続き3度目。「100+1」周年記念事業は来年3月まで継続する予定ですが、今後も季節毎に異なるデザインのものが掲出されるのではないでしょうか。前回のあじさいが正味3週間ほどの掲出でしたので見掛けたら要チェックですよ!

今回のデザインを再現したミニヘッドマークも販売されています。販売箇所は上高地線の新島々・波田・新村駅の各窓口のほか、8月15日までは「おウチで鉄道博2021」の特設WEBサイトで通信販売も行っています。この機会に是非どうぞ!

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アルピコ交通(アルピコグループ)の創立101周年を記念した「100+1周年」企画。上高地線を走る「なぎさTRAIN」(モハ3005+クハ3006)にも、筑摩鐵道の創立日に当たる3月25日より専用のヘッドマークが取り付けられました。(10列車 大庭-信濃荒井 2021/4.1)
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「なぎさTRAIN」用のヘッドマークは、春をイメージした上高地線イメージキャラクター「渕東なぎさ」さんのイラストと、「100+1周年」のロゴマーク及び、キャッチフレーズである「その先の一歩を。」の組み合わせです。第1064回でご紹介したヘッドマークと共に特別な101年目をPRします。

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「なぎさTRAIN」については、車番プレートも「100+1周年」を記念した特別仕様のものに交換されました。3005号車・3006号者それぞれの運転台後方に異なるデザインのものが取り付けられています。なおこの車番プレートは、4月3日より記念グッズとして新島々・波田・新村の各駅でも販売されています。
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この他「100+1周年」関連のものとして、電車車内や駅構内でのポスター掲出も始まりました。なお、上高地線は1921年10月2日に松本-新村間(6.2km)で営業運転を開始しており、今年が開業100周年の年に当たります。(大事なことなので何度でも繰り返しお伝えします。)


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そして時代は令和へ
2019年5月1日より新元号「令和」が施行されました。上高地線では電車にヘッドマークを掲出し新しい時代の到来を印象づけました。写真のモハ3003+クハ3004編成はかつて上高地線で活躍した10型電車のカラーリングを再現したもので、2017(平成29)年の信州ディスティネーションキャンペーンに合わせ運行を開始したものです。
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コロナ禍のもとで
2011(平成23)年より始まった上高地線の施設更新事業は、2020年(令和2)年が最終年度となる計画でした。この最終年度に予定されていたのが、現行の3000形電車に替わる「新型車両」の導入です。ところが、この年の春から本格化した新型コロナウイルス(COVID-19)の流行と、それに伴う緊急事態宣言の発出により、アルピコ交通は高速路線・上高地をはじめとする観光路線バスの運休を余儀なくされました。また上高地線の利用客数も平年比の5割(※2019年5月期/2020年5月期の比較)まで減少。新型車両の導入は見送りとなりました。現在進行中の事案ではありますが、弊通信では「希望」を持ってこれを注視して参りたいと思います。
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1920年の筑摩鐵道創立前夜から2021年の開業100周年まで、ざっと100年に渡る”山ゆき電車”上高地線の歩みを振り返って参りました。今や日本有数の山岳景勝地として知られる上高地の姿を見れば、先人たちが100年前に抱いた「上高地を世の中に開放する」夢は結実したといえるでしょう。一方で、人口減少、少子高齢化、コロナ禍を経たライフスタイルの変化と、地域鉄道をめぐる環境は決して楽観視できるものではないこともまた事実です。
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上高地線については、関係各所の努力もあって、ここ10年は利用者数が増加傾向にあり、また沿線人口も今後暫くの間は増加することが見込まれています。公設民営化などの議論も始まっていますが、上高地線=今ある地域の資源を活かしながら、地域の未来をどのように描いてゆくか。一連の記事がそのヒントや考えるきっかけとなれば幸いです。

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2021年3月25日から始まった「100+1周年」記念事業の一環として、上高地線の「渕東」「渚」「西松本」の各駅で使われている駅名板のデザインがリニューアルされました。各駅の駅名板には上高地線のイメージキャラクターである「渕東なぎさ」さんが起用されています。
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渕東なぎささんを起用した駅名板の掲出は、2012年9月に渚駅で始まり、その後、渕東(2014年3月)、西松本(2014年8月)、新島々(2020年12月)の各駅に広がりました。名前の由来ともなった渚駅はデフォルメされたイラストに「なぎさ」の三文字が添えられています。これなら一目で「そうか!なぎさちゃんか!」と覚えて貰えそうです。
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西松本駅の駅名板には、民芸品「松本手まり」と松本市の花「ドウダンツツジ」が描かれています。なお、アルピコ交通では2019年に制服が一新されており、今回のデザイン変更もそれを反映したものとなっています。「なぎさTRAIN」と共に多くの方の目を引く存在であり、これからも上高地線のPRに一役買うこと間違いなし!ですね。

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