白かえる通信Ⅱ=きて みて はっけん 上高地線=

信州の城下町松本から 山の玄関口新島々へ〜アルピコ交通上高地線の話題をお送りします。

2021年01月

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この日の松本は朝から晴れ。早起きして沿線へ出掛けると、雲ひとつない青空に冠雪の北アルプスが聳えるこの時期らしい風景が眼前に広がっていました。まずは昨年から通っている大庭駅近くのポイントへ。多くのお客様を乗せた上り列車がやってきました。(8列車/クハ3002+モハ3001)
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1カット目を撮り終えてまもなく、下り列車がやってきました。立ち位置を変えて常念岳〜燕岳のアルプス銀座とリバイバルカラー列車を収めます。日中は毎時1~2本(30~40分毎運行)の上高地線ですが、朝のラッシュ時間帯は20分おきの運行となり信濃荒井でも交換があります。(5列車/モハ3003+クハ3003)
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続いてやって来たのは「なぎさTRAIN」アルピコグループ100周年ヘッドマークは昨年の内で終了...かと思いきや年を跨いでの続投です。今年は上高地線開業100周年の年でもあるのでそのPRも兼ねてのことでしょうか。(でもそろそろ正調の「なぎさTRAIN」も見たい...)(10列車/クハ3006+モハ3005)
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さて1時間ほどの滞在で上下合わせて6本の列車を撮影しました。「同じ場所で同じ電車ばかり撮って...」と不思議に思われる方もいらっしゃると思うのですが、1つの路線にカメラを向け続けているからこそ味わえるの喜びもあるのです。(12列車/モハ3003+クハ3004)

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筑摩鐵道の創立(1920年) 


松本=龍島間の鉄道敷設免許を得たひと月後、1920(大正9)年1月からは筑摩鐵道株式会社設立に向けた株式の募集が始まりました。3月には新村の専称寺で創立総会が開かれますが、その時点で1315名が株主として出資し、資本金100万円でのスタートとなりました。(登記上の会社設立は同年の5月29日です。)

筑摩鐵道株式会社の本社は長野県東筑摩郡新村806番地に置かれました。現在の新村駅から南に200m.ほどの地点です。初代社長上條信の自宅もこの近くでしたが、筑摩鐵道の本社へは勿論、新村駅へも他人の土地を通らずして行くことができた…とのエピソードも残されています。


島々線の建設と開業
鉄道敷設工事は1921(大正10)年1月から始まり、僅か9ヶ月後の10月には松本=新村間の6.2kmが竣工。10月2日より筑摩鐵道島々線として営業運転が始まりました。開業当初の島々線を走ったのは、定員40名余りの小さな電車3両と電動貨車1両、貨車2両。当時は篠ノ井線はもちろん、信濃鉄道(現在のJR大糸線)も蒸気機関車での運行で、松本平では初の電気鉄道となりました。もっとも当時最新の技術ですからトラブルはつきもので、信濃鉄道から蒸気機関車を急遽借り入れ運行を行ったこともあったそうです。

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開通を紀念して発行された絵葉書。社章はカタカナの「チ」の字を9個環状に並べ「チクマ」を表現している。(個人蔵)
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松本=新村間の開業後も島々線は西へ路線を伸ばし、1922 (大正11)年5月には新村=波多間(4.9km)同年の9月には波多=島々間(4.6km)がそれぞれ竣工し営業運転を開始しました。終点の島々には、日本アルプスの玄関口であることを意識した、アルプスの本場西ヨーロッパ調の瀟洒な駅舎が建てられ、登山者や探訪客を迎えました。なお、商号の筑摩鐵道は松本~島々の開通後に筑摩電気鉄道に改められています。
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ところで、島々駅が置かれたのはじっさいの安曇村島々(現松本市安曇島々)から2kmほど東の波多村前渕(現松本市波田前渕)でした。当初予定された龍島への延伸は島々開業後も事業として継続されましたが、地形を克服する難工事が予想されたことや、昭和初期の恐慌の煽りを受け叶わず仕舞いとなりました。これは筆者個人の見解ですが、仮に龍島まで延伸された際には、この龍島が新たに「島々」駅を名乗ることになったのかも知れません。それだけ「島々」=「日本アルプス・上高地への入り口」のイメージ、ブランドを会社として重視していたのです。

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こちらは全線開業の翌年1923(大正12)年8月の改正時刻表です。(個人蔵)松本=島々間の所要時間はおよそ40分。改正前の時刻と比較すると、1日13往復から14往復に増便し、最終列車を1時間繰り下げています。表面は『日本北アルプス登路概念図』を掲載。有明から燕岳~大天井岳~槍ヶ岳を経て上高地へ至る縦走(通称アルプス銀座)は当時からポピュラーなルートのひとつでした。

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アルピコ交通では、この1月より車内や駅設備に抗菌・抗ウイルス加工を実施しています。これは、滅菌作用のある光触媒(暗所抗菌抗ウイルス・可視光線性酸化チタン)を利用したもので、蛍光灯などの光でも作用します。写真は波田駅の自動券売機ですが、タッチパネル部には光触媒で加工したシートを貼り付け、受け取り口などシートの貼り付けができない箇所には液剤を塗布しています。効果は2〜3年(使用条件による)。信州大学工学部とアシスト&ソリューション(松本市)が開発し、銀行ATMなどでも既に利用されている技術です。

多くの人が集まるイベントの開催が難しい状況は続いていますが、一方でオンラインによるイベント開催の例もあります。こちらの「鉄道博」はテレビ大阪主催のイベントですが、鉄道グッズの販売にアルピコ交通も出店者として参加しています。通常は上高地線の駅でしか買えない(※アルピコ交通は通信販売を行っていません。)の「渕東なぎさ」さんのグッズなど、この機会にいかがでしょうか。
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上高地線電車では引き続き、窓開放による車内の換気/除菌・マスクの着用・飛沫感染防止シートの使用を実施しています。ここで、利用者の1人として筆者が申し上げたいのは「感染症予防の基本を再確認しよう」ということです。手洗い(消毒)うがいの励行と「公共交通あんしん利用(PDF)」として呼び掛けられている「マスクの着用」「目・鼻・口に触れない」「会話を控える」の三点をここで改めて意識して実践していこう、ということです。
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もう一点「これを何故やるのか(どのような効果があるのか)」も意識したい点です。例えば写真は電車車内に設置されたアルコール消毒液です。すっかり見慣れたこれも、ただ反射的にプッシュして使うのではなく「ウイルスの不活化に有効である」ことを念頭に置いて使ってみるのです。「今日の感染者数は○○人で過去最多です」などとニュースで流れると不安にもなるのですが、心の健康を維持するためにも、理論と実践がいま求められていると筆者は考えます。

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昨年のアルピコグループ(アルピコ交通)創立100周年を記念し販売された「アルピコ七味缶」。その第2弾となる新デザイン缶の販売が1月15日より始まりました。この七味缶は創業1736年の老舗「根元 八幡屋礒五郎」(長野市)が手掛けるもので、信州のお土産品としては勿論、県内の家庭でも広く親しまれています。
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新デザイン缶はアルピコグループのイメージカラーである「紺」を基調としています。昨年販売の記念缶と並べると、白と紺の好いコントラストで、コレクター心をくすぐりますね。この機会に2つ揃えてみてはいかがでしょうか。なお、白い記念缶は各駅・各販売所での在庫がなくなり次第販売終了とのことです。
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販売個数は限定4,500個。価格は530円(税込)です。販売箇所は、新島々/波田(いずれも電車運行時間内)/新村(7:20-15:05)の各駅と、アルピコ交通が運営する諏訪湖(上り線)/梓川(上り線)/姨捨(上り線・下り線)の各サービスエリアです。また、今回はデリシア(アルピコグループのスーパーマーケット)の複数の店舗(松本駅前店・波田駅前店ほか10店舗)でも取扱いがあります。2021年は上高地線開業100周年の年、この機会に是非お求めください。
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1月販売開始のグッズとして「電車・バスピンバッジガチャ」もご紹介します。昨年好評の内に完売したピンバッジセットから、100周年記念ラッピングバスを除いた6種類を新たにリリース。販売はガチャマシーンによるもので、何が出るかはお楽しみです。マシーンの設置駅は、新島々・波田(電車運行時間内)・新村(7:20-15:05)です。手に入れたピンバッジを、鞄や帽子など、身近なところで使用してみるのもいいですね。

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本格的な受験シーズンを迎えるこの時期。上高地線の駅では合格祈願のお守りとして「すべらない砂」を配布しています。これは実際の電車で使われている滑り止め(上高地線を走る3000形電車ではアルミナが使用されています。)を小袋に入れ台紙をつけたもので、社員さんの手作りです。
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1月16日・17日には第1回目の大学入試共通テストが実施されます。これまでのセンター試験と同様に、沿線の松本大学も試験会場となることから上高地線では臨時列車を運行予定。16日(土)の試験が終了した夕方の時間に、北新・松本大学前→松本(のぼり)/松本→新島々(くだり)をそれぞれ運行します。定期列車が全て松本↔︎新島々の運転となる上高地線にあって区間運転の列車は珍しい存在です。
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松本大学最寄りの北新・松本大学前駅には応援メッセージが書かれた看板も登場。今年度から導入される大学入試共通テストに加え、昨春の全国一斉休校、時短授業、長期休みの削減...と受験生や保護者、学校関係者は様々な対応に追われる一年になったことと思われます。かつて同じ場所で大学入試センター試験を受けた1人として、筆者もエールを送りたいと思います。頑張れ!受験生!

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