白かえる通信Ⅱ=きて みて はっけん 上高地線=

信州の城下町松本から 山の玄関口新島々へ〜アルピコ交通上高地線の話題をお送りします。

2020年12月

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2020年も残りあと僅か。アルピコ交通の前身、筑摩鉄道の創立から100年を迎える今年は、本来であれば祝賀ムードに溢れる一年となる筈でしたが、年明けからの感染症の拡大、それに伴う緊急事態宣言や不要不急の移動・外出自粛の広がり、観光需要の落ち込みと鉄道事業者にとっては非常に厳しい一年となりました。上高地線に関しては4月の定期収入(定期券等の販売額)が前年比の54.0%・定期外(普通乗車券等)収入が前年比の20%と大幅に落ち込みました。写真は下新-北新・松本大学前を走る下り列車。沿線の松本大学では9月より対面授業が再開され、電車を利用する学生さんの姿も見られるようになりました。
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また、新島々=上高地間の路線バスも4月18日〜5月15日まで運休。その後も減便を余儀なくされました。また上高地そのものも、春からの群発地震、7月の豪雨に伴う道路不通、ツキノワグマの出没が重なり、今年の入り込み客数は38万人と例年の3分の1以下に留まりました。
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こうした中で沿線自治体の松本市からは公的な補助(2020年度のバス・鉄道の赤字分1億8000万円を補填)が行われます。上高地線は松本市西部地域の基幹的公共交通と位置付けられており、平成22年度から始まった施設の更新事業でも同市が補助金に上乗せする形で支援を行っています。これと同時に、鉄道を運行する上で必要なハードとソフト部分を分離する「公設民営方式」の導入に関する議論も始まりました。12月定例議会では「上高地線の公設民営化のあり方について検討を進める」との市長発言もあり、来年度以降、同市の関与がより強まる可能性もあります。
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上高地線の定番撮影地「奈良井川鉄橋」を渡る松本ゆき電車です。この鉄橋は上高地線の前身、筑摩鐵道島々線の開業時(1921年)より使われているもので、架け替えには多額の費用が必要です。公設民営化は、こうした鉄道を運行するために必要な施設を自治体の保有とし維持管理を行うもので、直近の例では2019年の台風19号で被災した上田電鉄千曲川橋梁(上田市)がこの仕組みの下で再建が進められています。
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年内最後の投稿(となる予定)につき色々と書き連ねてみました。筆者個人も4月に開催予定だったブックイベント「しましま本店」の中止を余儀なくされたり、そもそも上高地線沿線に出掛けたり、電車を利用することさえ制限された(あくまでも気持ちの上で、ですが)状況であったりと心安らかではない一年となりました。未だ先行きの見えぬ中ではありますが、それでも来年、2021年=上高地線開業100周年の年はやってきます。更新は多くて週に1度の弊通信ですが、来年も実際に現地へ足を運びながら、100年目を迎えた「山ゆき電車 上高地線」の姿をお伝えしたいと思います。

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(3の続きです)11時12分発の新島々ゆき電車で渕東を離れます。9時過ぎから11時過ぎまで、気がつけば気温0℃前後の中に2時間ほどいたことになります。今年はこのようにひとつの駅周辺でじっくり腰を据えて撮影することが多い年でした。
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観光シーズンも終わり、接続するバスもなくひっそりとした新島々駅。この時期は14時頃まで太陽の日が射しません。駅周辺の駐車場には雪と氷が残り、副本線に留置中の電車には朝の運用で巻き上げた雪がそのまま凍り付いていました。
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新島々に来て忘れてはならないのが旧島々駅舎。その処遇についてはこちらの記事(旧ブログ)に書いた通りですが現時点で大きな動きはありません。少なくとも来年の3月頃(2020年度末)まではその姿を見ることができそうです。
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昼食は新島々駅徒歩1分のところにある「赤松ドライブイン」さんへで、肉そばをいただきました。およそ半日の間、寒空の下を歩き回った身には温かさより沁みます。冬の沿線さんぽの醍醐味です(笑)

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雪の朝を迎えた上高地線沿線を歩きます。山ぎわの渕東駅周辺は松本市街地よりも更に雪が深く、くるぶしまで雪に埋めながら電車を待ちます。まずは駅近く、渕東東踏切付近からのカット。背景の穴沢山もすっかり冬の装いです。(14列車 渕東-波田)
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およそ30分後に来る下り列車は波田寄りの渕東支道踏切近くで撮ることに。背の高い針葉樹も雪化粧しています。珍しく同じ列車にカメラを向けている方がいらしたのでお話を伺うと、このご近所にお住まいとのこと。近年は暖冬傾向が続いたこともありこうした雪景色は珍しいようです。(11列車 波田-渕東)
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(13列車 波田-渕東)
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最後はお気に入りの俯瞰ポイントから。朝のうちは低いところまで垂れ込めていた雲も晴れ、雪を載せた家々の向こうに、先程も登場した穴沢山と、山体全体が一段と白くなった金松寺山が姿を表しました。(18列車 渕東-波田)



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この冬一番といわれる寒波が到来。上高地線が走る信州松本も連日雪の朝を迎えています。ここ数年はシーズンを通して雪景色に余り縁がなかった松本市街地でも、この日の朝は2cmの積雪がありました。こうした気象条件の下で見られるのが、霜切用のパンタグラフを上げた列車。架線に付着した雪や氷を落とします。
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この時期のものといえばクリスマス。なぎさTRAINの車内には、運転士さんお手製のクリスマスにちなんだ装飾が施されています。毎年恒例のイルミネーションやクリスマスツリーといった企画が実施を見合わせる中、ささやかですがクリスマス気分が感じてみてはいかがでしょうか。(期間は12月25日まで)
12月20日からはアルピコグループ創立100周年を記念したオリジナルピンバッジセットの販売が始まります。ご自身へのクリスマスプレゼントにお一ついかがでしょうか。(筆者は欲しい)価格は1セット4000円(税込)取り扱い箇所は新島々駅窓口のみとなります。冬への備えをしてお出掛けください。

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今年も残すところ3週間ほど。松本では日中の最高気温が一桁台…という日も増えて来ました。5日朝には上高地線電車が走る平野部でも初雪を観測。山ぎわに近い新島々駅構内もうっすらと雪化粧していました。
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沿線から見える北アルプスの山々も冠雪。左の写真は大庭-信濃荒井の駅間から見た乗鞍岳。右は渚駅のプラットホームからみた常念岳と横通岳です。(いずれも同じ日に撮影)前者の標高は3000m.余り、後者は共に標高2800m.台ですが積雪量には随分と差がみられます。
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定番の奈良井川鉄橋での一枚も。夏前に右岸側の雑木が除去されたこともあって、今年は特によく通ったこちらのスポット。数えてみたら20回を数えていました。これからの季節も電車の背後にある東山の冠雪が楽しみですね。
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この時期のお楽しみカレンダーの配布が今年も始まっています。サイズはA3版で両面カラー。絵柄は、A面が上高地線イメージキャラクター渕東なぎささんと旧島々駅舎、B面が奈良井川鉄橋を渡る上高地線電車(モハ10型リバイバルカラー)です。B面の写真は昨年に続き筆者が撮影したものを採用いただきました。新島々・波田・新村の各駅窓口と一部列車車内で配布中。限定1500部につき品切れの際はご容赦ください。


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